2006年08月23日

「答えがググれる世界」の教育

「答えがググれる世界」の教育(POLAR BEAR BLOG)
確かにこの例では、目的であった「3番目の完全数を導く方法を考えること」は達成されていません。しかしこの児童は「3番目の完全数を導くこと」は達成しています。しかも最も効率的な方法で -- これって悲しむべきことでしょうか。

ググらざる知肉(404 Blog Not Found)
悲しむべきなのはググって答えを出す事ではなく、ググらなくても答えを出すポテンシャルがその子にはあるのに、それを引き出していないことだ、と思う。

数学のテストで『電卓使っちゃいけないの、なんでですか?(c)jkondo』と教師に食ってかかった時点で、文系・理系の適性が決まってしまっている!?(キャズムを超えろ!)
ツールを使わず体験することで狭く深い体験をすることで新しい価値を創造する理系人、ツールで出来る事はツールで、というアプローチによって広く浅く経験を積むことで新しい価値を創造する文系人。


んー。
どのエントリも興味深い話。

僕はまず前提として「ググらず答えを出すポテンシャル」を伸ばす努力は
必要だと思っている。

が、「ググるかググらないか」というのは
ケースバイケースでいいんじゃないかと。

そんなもん考えるだけムダだ、って問題はググって済ませばいい。
その判断をする力を伸ばすってのも必要なはずだ。
社会でも役に立つ。
これは理系か文系かって話とはまた別だと思う。

沢登りにはかなり大勢の人が参加していたが、それでも橋のたもとで滝を見上げていただけの人の方が多かった。そうしていたのは老人ばかりではない。おそらく彼らは自分たちがあの沢を登る能力があることを知らないのだろう。それが証拠に、まるで熱すぎる風呂に入るのをためらうがごとく、ちょっと入っては引き返す人々も多かったのだ。
僕はこの場を見たわけじゃないので断言はできないが、
「能力があることを知らない」わけじゃないように思う。
問題は「それをする価値を感じるかどうか」じゃないかと。
沢登りをしてでも滝壷を実際に見る事にどれだけ価値を感じるか。
沢登り自体に価値を感じるか。
各人のその辺の感覚の差で行動が決まる。

最小の完全数は6、二番目は28。では三番目に小さい完全数は--。
僕は恐らく理系の考え方の人間だと思うが
自分が今小学校5年生だったら
こんな問題はググって済ませるか放置するかどっちかだ。

考える価値を全く感じない。
それが解けたから何だ?
完全数?

もっと興味深い問題だったら嬉々として解こうとするだろうけど。

とりあえず「検索して答えを出すことへの批判」をするなら
もう少しマシな問いかけをしてからにすべきじゃないかな。
タグ:学習 教育
posted by ボボコフ at 15:49 | Comment(14) | TrackBack(0) | 教育 | このエントリーを含むはてなブックマーク
この記事へのコメント
車を乗るようになってから
体力に衰えを感じるようになりました。
ワープロ、パソコン、携帯を使うようになってから
漢字が前より書けなくなりました。

今までは老化以外では
考える力の衰えを意識しなくても良かったものを
これからはどう意識するかでしょうね。
Posted by ローゼンカバリー at 2006年08月24日 18:20
必要な能力はちゃんと鍛えればいいわけだから、
教育する側がきちんと見極めてやる必要があるのかもしれないですね。

便利な物を効率良く使うのも大切な能力ですし、
根本的な理解もものによっては必要でしょうし。
Posted by ボボコフ at 2006年08月25日 02:04
学力も右肩下がり
体力も右肩下がり

誰が、何を、しないといけないのか
という問題はあるような気はします。
Posted by ローゼンカバリー at 2006年08月25日 09:39
そうですね。

その辺りは早めに何とかしないといけないと思います。
どうもこの流れでズルズルいきそうですよね。
Posted by ボボコフ at 2006年08月25日 15:30
>>自分が今小学校5年生だったら
こんな問題はググって済ませるか放置するかどっちかだ。

>>考える価値を全く感じない。
それが解けたから何だ?
完全数?

これは一般的には文系的思考じゃないでしょうか。

また、完全数の件は「たった三番目のモノを探すだけなのに、これほど苦労するものなのか……」という『体験』をさせたかったのでは.
Posted by 花見川 at 2006年08月28日 17:51
理系の人間だって何に対してでも理解したがるわけじゃないですよ。
いやしたがる人もいるかもしれませんが。

「何に対してでも〜」が理系の定義であるならば
そうなんですか、と言うしかないですし
僕は理系じゃなかったのかもしれません。

>完全数の件
考えていけば答えに辿り着く類の問題じゃないわけです。
それを考えさせ、苦労させる事にどれだけの意味があるのかと考えたら
他の事に時間を使った方がはるかに有意義だと思うんですよ。

僕は一般的に「文系」とされる人からは
「無駄な事をいつまでも考えている」とか「理屈っぽい」とか言われるタイプなんですが
そういう人間から見ても(小五の子が)これを考えるのは時間の無駄だと思います。
Posted by ボボコフ at 2006年08月28日 18:14
真摯な対応どうもです。
>>考えていけば答えに辿り着く類の問題じゃないわけです。

ムダだからこそ、考えさせるんじゃないかな、とも思ったんですよ。
こういう整数論の分野だと、一見何も法則性が無いように見えますが、そういう特殊な数を推測する理論が実はあります。(かなり高度ですが)

もし、純粋にそのテの苦労をした後で、そういう理論があるという話を聞けば、子供にとっては一種の『感動』を呼び覚ます可能性がある。学問と関わっていく上ではそういうものはかなり重要じゃないのか?と思うんですよ。

「効率良く仕事をこなす」というのも非常に重要な考え方なんですが、「ある種の発見をする」といった観点だと、こういう思考も重要だと思うんですね。一見無駄なモノの中から意味を取り出す、というか。(ある種、文学に通じる部分がある)

コメント欄汚し失礼しました。

Posted by 花見川 at 2006年08月29日 15:21
コメントありがとうございます。

>ムダだからこそ、考えさせるんじゃないかな、とも思ったんですよ。
このブログでは何度か触れてるんですが
僕は子供には「考えさせる事」が一番重要だと思ってます。
そしてどんな事であれ(この問題も)考える事は多かれ少なかれプラスがあるとも思います。

>、「ある種の発見をする」といった観点だと、こういう思考も重要だと思うんですね。
そしてこれにも同感です。

それでも、このケース(小5の子にこの問題)はやはり問題が悪いと考えます。

何らかの教育の場で行われたであろう事や教わる子の年齢的な事から考えると
間違いなくこの問題よりも得るものが多そうな、
もしくは多くのものを得る確率が高そうな問題はいくらでもあるんじゃないかと。

小5の子に対してこの問題によって「一種の『感動』を呼び覚ます」確率は極めて低いと思いますし
むしろ数学や学習への興味を失わせる可能性の方が高いような気もします。

この辺りは感覚的なものなので
具体的な説明とかあまりできなそうで申し訳ないですが。

ただ根本的な考え方は花見川さんと似てると思います。
具体的なこのケースについてどう捉えるかの違いみたいですね。
Posted by ボボコフ at 2006年08月29日 15:52
>>このケース(小5の子にこの問題)はやはり問題が悪いと考えます。
なるほど、『小5の子』というのが着眼点でしたか。腑に落ちました。

確かに「小2の子」ぐらいなら、そのテの感動も呼び起こしやすいかもしれませんが、小5っていうと…、少し成長しすぎちゃってますね。

この部分での視点を変えると随分意見が変わってくるんですね。
勉強になりました。
Posted by 花見川 at 2006年09月03日 05:52
>確かに「小2の子」ぐらいなら、そのテの感動も呼び起こしやすいかもしれませんが、
あ、、僕は逆で、
もっと成長してからでないと、、という考えでした。

というのは、問題を考えている時点ではとても手に負えないような感覚だったとしても、
答えを聞いた時、もしくは解説を聞いた時に
ガーっと世界が広がる感覚を覚えるとそれが感動に繋がったりするんだと思うのですが、
小5の子にこの問題というのは知識レベルに差がありすぎると思うんです。

高校生でもそこで感動できる子は少ないと思います。

単純に「そんなものがあるんだ!」という喜びはあるかもしれませんが
そこから何かが広がる感覚は小5の子ではまず得られないかと。

でも僕も全く違う視点の意見を聞けて面白かったです。
ありがとうございました。
Posted by ボボコフ at 2006年09月04日 00:10
教育の事にかなり興味があるようなので
今日(9月7日)放送の「プロフェッショナル」は
いいかもしれないです。
ダメかもしれないですが…

http://www.nhk.or.jp/professional/schedule/index.html

私は多分違うもの見てますw
でも、再放送で見るかも…
Posted by ローゼンカバリー at 2006年09月07日 11:58
>教師の仕事は、子ども達の心を開き、やる気をたきつけること。
その通りだと思います。
面白そうですね。
見てみます。

毎度ありがとうございます。
僕はTVの番組を事前に調べる習慣が無く、
基本的にその時適当にチャンネルを変えて
たまたま面白そうなのがあったら見るって感じなので
こういう良さげな放送を後から知る事が多いです。

ちなみに以前紹介していただいた「失敗」の番組、見ましたよ。
面白かったです。
当たり前の話ばかりなんですが実際それが当たり前に行われていないわけで、
興味深い内容でした。
Posted by ボボコフ at 2006年09月07日 15:32
>僕はTVの番組を事前に調べる習慣が無く、
>基本的にその時適当にチャンネルを変えて
>たまたま面白そうなのがあったら見るって感じなので

私もそうなんですが
こらえ性がないので
チャンネルをすぐパチパチ変えるのと
複数チャンネルを同時に見てたりする事があるので
人よりちょっと知る機会が多いだけです。
Posted by ローゼンカバリー at 2006年09月07日 16:34
>チャンネルをすぐパチパチ変えるのと
CMになるとよくパチパチやりますw

>複数チャンネルを同時に見てたりする事があるので
これ僕もやりたいんですけど忘れちゃうんですよね。
野球とかをサブで表示させておきたいんですけど。
Posted by ボボコフ at 2006年09月07日 16:53
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